チョコレートの原料であるカカオ豆の木は、生まれも育ちもアメリカ大陸の赤道付近、アマゾンのほとり。高温多湿な熱帯のジャングルです。学名では・テオブロマ・カカオ・といい、ギリシャ語で・神の食べ物・という意味をもつ・つわもの・。時にハーレムに向かう王の滋養強壮のスーパードリンクとして、時に疲労回復や解熱鎮痛などミラクルパワーを秘めた食べ物として、人々の心を魅了していました。しかし、カカオ豆の価値はお金と匹敵するくらい高価なもので、高貴なセレブ層の人々だけに許された食べ物だったようです。
さて、時は大航海時代幕開け、インドへの新しい航路を開拓するため、多くの冒険家たちは、未知なる海へと旅立ちました。その冒険家の一人がコロンブス。彼は、マルコボーロの・東方見聞録・に心ときめかせ、西に向かえはインド、そして黄金の国ジパングがあると信じ、スペインの港から冒険の旅に出航しました。ある日、大西洋の大海原で、コロンブスの乗る船と偏東風(亜熱帯高圧帯から赤道低圧帯に向かって吹く風で、北半球では北東貿易風ともいう)が初めて出会いました。偏東風は、コロンブスの乗る船に惜しむことなく力を注ぎ、西へ西へと運んでいったのです。出航して 1ヶ月を過ぎようとしていたころ、船はようやく陸地を発見しました。そう・コロンブスの新大陸発見・!偏東風によって誕生した歴史のドラマです。コロンブスは、新大陸だということを知らず、あくまで「インドに到着したのだ」と信じ生涯を終えたのでした。
こうしてカカオ豆はコロンブスと出会い、スペインへと船出したものの、しばらくはなかなか日の目を見ることが出来ずにいました。そんなある日ようやくチャンスがやってきました。 コロンブスが開拓した大西洋の航路で、スペインが新大陸征服へと乗りだした時のこと。スペイン軍を率いていたコルテスは、アステカの王が愛飲するカカオ豆の飲み物・カカオワトル・と出会い、すっかり魅了されスペインへと持ち帰り、時の王カルロス1世に献上したのです。王様も、たちまち・カカオワトル・のとりこになりました。こうしてカカオ豆は、・カカオワトル・という苦くてドロっとした冷たい飲み物として、ヨーロッパデビューしたのでした。スペイン滞在中、砂糖と出会い・ホットチョコレート・が誕生しました。そしてオランダでは、バンホーテンと出会い、カカオバターの抽出に成功し、食べるチョコレートに生まれ変わったのです。さらに、ミルクとの出会いやカカオ豆の粉砕技術が進歩し、その美味しさと魅力に磨きをかけていったのでした。
現在もなお、味を変え形を変え、私たちを魅了し続けるチョコレート。カカオバターの溶け出す温度は28℃、口の中入ったその瞬間から、芳醇な香りとともにあまーくとろけて…。そんな誘惑が嬉しいチョコレートは、今ではアンチエイジングにダイエット、そして疲労回復とミラクルパワーを発揮する栄養素・カカオポリフェノール・が注目を浴び、女の子にとって、まさに・テオブロマ・カカオ〜神の食べ物〜・そのものですね。